合筆できない土地については、不動産登記法でもいくつか定められています。
ここでは、特に土地の字(あざ)と地目について、
合筆できない土地の具体例を交えて述べます。
合筆前の土地の所在の字(あざ)や地目が異なっている場合には合筆できません。
字(あざ)というのは、普通、○○市□□町字△△1番という感じで、
所在地番として定められているものです。
字(あざ)という言葉は、初めて耳にする人も多いかと思いますが、
正確な土地の所在地番では、普通は字(あざ)の記載があります。
全国の土地は、網の目のように地番で区切られているように、
ある一定数の地番を区域ごとに区切っています。
その区切りが字(あざ)と呼ばれるものです。
区域ごとに区切っているので、字△△には数十の地番が存在したり、
字☆☆には数百の地番が存在したりしています。
そして、合筆前の土地の所在の字(あざ)△△が、互いに異なっていれば、
○○市や□□町の部分も異なっていることになりますので、
合筆ができないということなります。
たとえば、○○市□□町字△△1番の土地と、
○○市□□町字☆☆2番の土地を合筆しようと思っても、
合筆後の土地の所在地番の字(あざ)の定め方に困ってしまいます。
字△△と、字☆☆で異なっているので合筆できないのです。
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そして、合筆前の土地の地目が異なっていれば合筆できません。
合筆前の土地が何筆あったとしても、すべて同じ地目でなければなりません。
合筆前の土地の地目が宅地と、地目が田では、
合筆後の地目の定め方に困ってしまうからです。
なお、この地目についてですが、登記上の地目と現地の地目を指しています。
登記上の地目とは、登記事項証明書や登記事項要約書などを取得して調べれば、
その土地の登記されている地目が記載されていますので、その地目のことです。
そして、現地の地目とは、登記上の地目とは違って、
実際に現地における土地の種類のことです。
たとえば、合筆前の土地の内1筆は現地では宅地となっていて、
もう1筆は田んぼであれば、互いに現地の地目の種類が異なっているため、
合筆できないということになります。
つまり、合筆するためには、登記上の地目も、実際の現地における地目も、
すべて同じ土地同士でなければ合筆できないということです。
ただ、登記上の地目が異なっていたとしても、実際の現地の地目が同じであれば、
登記上の地目を現地に合わせる登記をすることで、
合筆登記を行うことができる場合もあります。
現地では地目が宅地と認定されるのに、
たとえば登記上の地目が原野となっていれば、
原野となっている登記上の地目を宅地に変更できれば、
合筆できることもあるからです。
このように、土地の地目を変更する登記のことを、地目変更登記と呼んでいます。
基本的に、田や畑以外(農地以外)の土地であれば、
登記簿上の地目は現地の地目と一致していなければなりませんので、
逆に、地目変更登記申請をして、登記と現地の地目を合わせておかなければならないことになります。
地目が田や畑などの農地については、農地法の届や許可の関係がありますので、
地目変更は農地法の手続きの後になるのが基本となっているからです。
最終的には、合筆登記をするには、字(あざ)や地目について、
地番以外まったく同じ土地同士が合筆できることになります。
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