合筆できない場合はいくつかありますが、
ここでは、合筆前の土地に所有権以外の担保などの登記がされている場合についてです。

合筆する前の土地のどれかに、
抵当権や根抵当権などの担保が設定されていれば、
合筆ができないのですが、
すべて同じ担保記載であれば合筆できる場合があります。

もう少し簡単に言えば、
合筆前の土地に、抵当権や根抵当権などの担保設定があったとしても、
登記の記載内容がすべてまったく同じでしたら、
合筆が可能になるということです。

抵当権や根抵当権の登記は、
登記簿謄本の権利部の乙区に順番に記載されます。
その際には、登記の順位番号や、登記の目的、登記の受付年月日・受付番号、
権利者その他の事項が記載されます。

合筆前の土地に担保の登記がされていたとしても、
登記の順位番号から受付年月日や受付番号まですべて、
完全に同じであれば、合筆ができることになります。

ただ、権利者その他の事項の欄には、
債務者や抵当権者などの住所・氏名も記載されていますが、
住所の記載についても注意して確認が必要です。

もし、担保を設定した時からその後に住所が移転すれば、
住所の変更の登記(抵当権変更)をしますが、
変更後の住所についても完全に一致している必要があるからです。

少しでも担保の設定記載が違っていれば、合筆ができない土地になります。

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更に注意して確認すべき点は、共同担保についてです。

登記簿謄本の権利部(乙区)の権利者その他の事項の欄で、
抵当権などが設定された場合、1物件の不動産の担保で足りなければ、
他の不動産の物件も一緒に担保に入れられます。

この場合、共同担保目録というものが作られて、
登記にも共同担保として目録の番号が記載されます。
この共同担保の番号についても一致していなければ、
合筆ができないことになります。

共同担保の記載については、
登記簿謄本の権利部(乙区)の権利者その他の事項の欄の、
大体最後の箇所に記載されているので、細かく確認が必要です。

最後に、担保設定物件の合筆について具体的な例としまして、
A土地に受付年月日が平成25年の抵当権があり、
B土地には、受付年月日が平成26年の抵当権があった場合、
A土地とB土地は合筆できない土地ということになります。

補足:承役地として地役権の設定のある土地について。
承役地としての地役権とは、
A土地を利用するために、B土地の利用が必要な場合に、
A土地を要役地としての地役権の設定をして、
B土地を承役地としての地役権の設定をします。

少し難しいので簡単に言えば、
承役地としての地役権のある土地と、ない土地については、
合筆ができます。

つまり、所有権や担保以外の権利の登記として、
承役地としての地役権の登記があっても合筆はできるということです。

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